彩懐石 わらび高砂
建物概要
所在地 | 芝新町4-14 | 片山店長さん |
---|---|---|
主要用途 | 店舗 | |
構造等 | 木造2階建 | |
出店時期 | 平成17年10月頃 | |
建物築年 | 昭和50年頃 |
フォトギャラリー
設計コンセプト
私達(高砂グループ)のお店は北園町でお蕎麦屋を構えたことが始まりで、元々こちらのお店は「蓮根(れんこん)」さんという懐石料理のお店でした。当時常連客であった現在のオーナーに蓮根さんからお店を閉めるにあたって、「和食の伝統を継承してほしい」とのお申し出があり、譲っていただいた経緯がございます。そのため、建築デザインの詳しいお話までは分からないのですが、新橋の老舗料亭「金田中」をイメージして設計されたと聞いております。
設計上のこだわり
建物のデザインにつきましては、「蓮根」さんが携われた経緯もございますが、懐石料理においては「文化」や「伝統」、「風格」、「技術」などを重んじる世界であり、お客様をおもてなしする上で料理は勿論、料理の引き立て役であるお店の空間も楽しんでいただくことにもこだわりが必要だと考えております。
見所としましては、特に日本古来の数寄屋造りに貴重な錆竹(さびだけ)をふんだんに使用した「錆竹の蹴上げ階段」や「竿縁船底(さおぶちふなぞこ)天井」、玄関の天井においては最近ではあまり見かけなくなった「網代(あじろ)天井」も見ることができます。
また、現在のオーナーに代わった際に、より伝統と新しさが融合するお店を演出するために竹林を植栽しました。この竹林は外観だけでなく、客室からの眺めに一層の深みを演出し、駅前の喧騒を忘れさせる様な「風格に満ちた静寂の空間」を楽しんでいただくことができ、お客様からもご好評をいただいております。
出店して良かったところ
ご来店がはじめてのお客様から「ビル街の中に竹林がある立派な数奇屋造りのお店だったので驚きました。」というお話をよくお聞きします。
また、建物の維持につきましては、現在ではあまり類を見ない本格的な造りが故に、相応の技術を持った大工さんや希少となった建築材料を探すことに苦労することもございます。しかしながら、料理も建築も職種は違っても職人の熱い「思い」と確かな「技」がお客様に伝わるよう、志を貫いてきた結果、目や舌に厳しい常連のお客様やリピーターの方々にご愛好をいただき、「お店にいると食事以外の時間も楽しく、ついつい長居してしまいます」という嬉しいご感想をいただくこともございます。